家でスマホばかり触っている息子。受験が終わるまで取り上げた方がいいですか?
中2の息子はこの春からいよいよ受験生になりますが、家では完全にスマホ中心の生活を送っています。動画を見たり友達と会話をしたりと、気づけば何時間も触っています。学校や塾の宿題はギリギリやるものの自主的に勉強する様子はなく、こちらが言わないとほとんど動きません。「スマホを取り上げようか?」と話すと「勉強には息抜きが必要だから」と反発されて言い争いになることも…。受験が終わるまで強制的にスマホを取り上げるべきか、それともある程度は自由にさせるべきか悩んでいます。どのように対応すればよいでしょうか?
教育のプロの視点からアドバイス
スマホを完全に取り上げるのは逆効果になる可能性があります。大切なのは「適切な使い方」を身につけさせることです。例えばスマホ使用のルールを一緒に決めるとよいでしょう。「平日は○時間まで」「勉強が終わったら○分だけ」など、子供が納得できる形で制限をかけるのがポイントです。また、勉強に役立つアプリを一緒に探し、スマホを学習ツールとして活用するのも有効です。親子でルールを決めたら守れなかった場合のペナルティも設定すると、自然とメリハリがついてくるはずです。
保護者の視点からアドバイス
私もかつて同じことで悩みましたが、強制的に取り上げるのは思春期の子供にとってストレスになり、かえって反発を招くだけでした。我が家では「まずは1週間、スマホを使う時間と勉強時間を記録する」とルールを決めました。その結果、子供自身が「スマホの時間が多すぎる」と気づき、自分で調整するようになりました。親が無理に取り上げるよりも、子供に自己管理をさせる方向に導いたほうがスムーズにいくと実感しました。一方的に制限をかけるより、「どうすればバランスが取れるか」を一緒に考えることが大切です。
法的安心の視点からアドバイス
スマホの利用制限は家庭のルールですが、子供のストレスが極端に高まり、精神的負担が大きくなると「虐待」と受け取られる可能性もゼロではありません。特にスマホは現代のコミュニケーション手段の一つであり、友達との関係維持に必要なものでもあります。もし制限をかけるなら「合理的な範囲内で」「子供と合意の上で」行うことが重要です。また、スマホ依存が深刻な場合は専門家に相談するのも選択肢の一つです。単なる親の管理ではなく、子供の健全な成長を促すための適切なサポートが求められます。
本サービスで提供されるアドバイスや見解は、あくまで個人の意見です。これを参考にした結果生じた損害やトラブルについて、当社は責任を負いかねます。また、法的安心の視点でのアドバイスは正式な法律相談ではありません。具体的な法的問題は、専門の弁護士にご相談ください。
有識者の見解 (1件)
西尾 信章 先生
セルモ日進西小学校前教室
スマホの使い方について後から厳しく規制するのは、「後出しジャンケン」になってしまい、息子さんの反発を招くだけかもしれませんね。そもそもスマホを渡すときにルールを決めていなかったのであれば、いきなり取り上げるのは逆効果になりかねません。スマホを悪者にするのではなく、どう使えば生活や勉強とうまく両立できるのか、一緒に考える姿勢が大切です。
まずは「スマホを取り上げるかどうか」ではなく、「どうしたら勉強時間を確保できるか」を話し合うべきです。スマホを使うこと自体は悪いことではありませんし、適度な息抜きも必要です。ただし、「勉強もやるべきことをやる」という前提があるはずです。「何時から何時までは勉強」「終わったらスマホOK」など、息子さんと納得のいくルールを決めることが重要でしょう。ここで大事なのは、親が一方的に決めるのではなく、本人と合意することです。
また、スマホを取り上げるときの最大の問題は「管理される側」になってしまうことです。受験を控える今こそ、息子さん自身が「どうやったら自分で時間を管理できるか」を考える機会にすべきです。「試しに1週間、このルールでやってみよう」と提案し、実際にやってみた結果を一緒に振り返るのも良いでしょう。受験は親が管理するものではなく、最終的には本人が自分の意志で取り組むものです。その意識を育てることこそが、スマホをどう扱うかよりも大切なのではないでしょうか。