受験生という自覚がまるでないまま部活優先で中3に…
うちの子はこの春から中学3年生になりましたが、まわりの友達も含めてまだまだ部活が優先という雰囲気が強く、塾に通っている子がほとんどいません。そのせいか、本人も「みんな通ってないし」と受験への危機感がまったくない様子です。私は夏の部活引退後ではもう遅いのでは…と焦りを感じているのですが、話しても聞く耳を持ってくれず困っています。周囲に流されやすい性格なので、今のままでは受験生としてのスタートが大きく遅れてしまいそうで不安です。手遅れになる前に塾に通わせたいのですが、どんなふうに声をかければ前向きになってくれるでしょうか。
教育のプロの視点からアドバイス
この時期の「周りもまだだから大丈夫」という空気は珍しくありませんが、受験の準備は見えない差がつきやすい時期でもあります。部活に集中している今は、塾＝勉強だけでなく「高校選びの情報が手に入る場所」として伝えてみましょう。進路や志望校を一緒に考える時間を作ることで、本人の意識に火がつくきっかけになります。
保護者の視点からアドバイス
親が焦るほど子どもは身構えてしまうもの。まずは「いま頑張ってる部活もすごく応援してるよ」と肯定しつつ、「受験も部活と同じくらい大切なんじゃないかな？」と寄り添った声かけをしてみてはいかがでしょうか。塾の体験に誘うときも「勉強の遅れを取り戻すため」ではなく、「どんな先生か見に行こうよ」と軽い見学感覚で誘うと、気持ちが動きやすくなります。
法的安心の視点からアドバイス
親の焦りは当然ですが、強引な誘導や通塾の強制は避けましょう。子どもの自尊心を傷つけたり、逆に反発を招いたりすることもあります。進路に関する話題は、あくまで「情報提供」として接し、「選ぶのは本人」という姿勢を守ることが信頼関係維持の鍵です。本人の意志を尊重しながら、学ぶ自由を支える環境づくりを意識しましょう。
本サービスで提供されるアドバイスや見解は、あくまで個人の意見です。これを参考にした結果生じた損害やトラブルについて、当社は責任を負いかねます。また、法的安心の視点でのアドバイスは正式な法律相談ではありません。具体的な法的問題は、専門の弁護士にご相談ください。
有識者の見解 (2件)
山本 力大 先生
オンライン個別指導塾Cheers！
お子さんが受験生になったとはいえ、まわりの友達もみんな部活中心で、塾通いを始めている子がほとんどいない状況だと、「まだいいや」と思ってしまうのも無理はありません。親としては、「夏まで待っていたら遅いのでは」と焦ってしまいますよね。でも、子どもの気持ちとしては、周囲に流されやすいこともあり、「自分だけ動き出すのは恥ずかしい」とか「みんなが始めてないから大丈夫だろう」という空気を感じているのかもしれません。
こんな時に大切なのは、「受験に向けて今すぐガツガツ頑張れ」と伝えるよりも、「自分の今の実力や、これから何をやればいいかを知るチャンスがある」といった切り口で話をしてみることです。例えば、「今からいきなり受験勉強しろってことじゃなくて、一度プロの先生に今の力を見てもらって、自分の強みや弱点を知るだけでも役に立つよ」と声をかけてみると、お子さんの中で塾のハードルがぐっと下がります。塾＝本格的な受験勉強のスタートではなく、「体験」や「診断テスト」など、今の力を知るだけでもいい、という雰囲気で話すと受け入れやすくなります。
また、最初から「必ず通う」と決めずに、「とりあえず体験だけ行ってみて、雰囲気を感じてみたらどう？」という提案も効果的です。一度塾の授業を受けてみたり、体験の先生や雰囲気が合えば、本人の中で「やってみてもいいかな」という気持ちが芽生えることも多いです。
大切なのは、親の気持ちや焦りを一方的にぶつけるのではなく、お子さんが「自分で納得して始めた」と感じられるようなきっかけをつくってあげることです。もし塾の体験に行くことになったら、帰りに「どうだった？」と感想を聞いてみるくらいで、あまり干渉しすぎないこともポイントです。
夏以降にみんなが一斉に動き出して「やっぱり今からでは遅かった」と後悔することがないよう、今のうちに軽い気持ちで一歩を踏み出すきっかけをつくってあげると、流されやすいお子さんでも自然と受験モードに入っていけるはずです。
山本 涼太郎 先生
個別教育クラーク
いや〜、めちゃくちゃ分かります、そのお気持ち！中学3年の春って、「まだ受験生って感じじゃないし、みんな部活がんばってるし」って空気、すごく強いんですよね。そして、お母さまが感じていらっしゃる「このままじゃ遅れるかも…」という感覚、それは 本能的にすごく正しいアンテナ です！
まず、前提としてお伝えしたいのは、中学生って、親の「正論」や「焦り」には耳を塞ぐけど、「共感」には反応してくれるんです。たとえば、「あなただけじゃなくて、私もなんか焦ってるのよ〜。あなたがどんな高校行くのかな〜って、楽しみでもあるけど、ちょっと心配でもあるんだよね〜」みたいに、「一緒に不安を感じてる」というトーンで話すと、子どもは意外とすんなり受け入れてくれたりします。そして、具体的な声かけとしては、比較じゃなくて「未来」を軸に話すのがポイントです。たとえば、こんな感じです。
「今、部活頑張ってるのすごいと思うよ！お母さんも応援してるし、やり切ってほしいなって思ってるんだよね。でも、ちょっとだけ想像してみて。たとえば、行きたい高校が見つかったときに、“よし、行ける！” って、自信持って言える自分って、かっこよくない？」「塾って、ただ勉強する場所じゃなくて、“自分の夢を見つけたり、近づくための場所” でもあるんだよ。最初は週1回だけでもいいし、部活と両立しながら、ちょっとずつ “未来の自分” に向かって準備していけたら素敵じゃない？」
この時期に塾に通い始める最大のメリットは、「学力の差」ではなくて、「気持ちの差」を先に作れることなんです。
「なんとなく受験が近づいてるな」じゃなくて、「よし、ちょっと本気出してみようかな」って思える環境をつくってあげるだけでも、夏以降の伸びが全然違いますよ～！