中学受験をしない場合、塾はいつから通わせたらいいですか?
うちは中学受験を考えていないのですが、塾に通わせるタイミングに悩んでいます。小学校の間は学校の勉強だけで十分だと思っていたのですが、周りの子が続々と塾に通い始めていて少し焦りを感じています。特に高学年になると「塾に行かないまま中学に進んでも大丈夫なのかな?」という感じてきました。とはいえ、今のところ学校の成績はそこまで悪くなく、親としても必要性を感じていないのも事実です。中学受験をしなければいつから塾に通わせるのがベストなのでしょうか?中学生になってからでも全然間に合いますか?
教育のプロの視点からアドバイス
小学校の学習内容がしっかり定着していれば、中学生になってからの通塾でも十分間に合います。ただし、中学では学習内容が一気に難しくなり、特に数学や英語でつまずく生徒が増えます。そのため、小学校高学年の段階で「勉強の習慣づけ」と「基礎学力の定着」を意識することが大切です。塾に通わせるなら、小5〜小6のうちに週1回の補習型塾で学校の学習を確実に固めておくのが理想的です。これができていれば、中学からの学習にスムーズに移行できます。
保護者の視点からアドバイス
「周りが通い始めているから」と焦る必要はありません。大切なのはお子さん自身が困っているかどうかです。ただし、中学入学後に「勉強の仕方がわからない」となるケースは多いので、小6の後半から学習習慣を意識的に作るのがおすすめですよ。塾に通わせなくても、自宅学習の時間を少し増やしたり、問題集を一緒に解いたりするだけでも効果があります。お子さんが自信を持って中学に進めるよう、無理のない範囲で準備を始めてみましょう。
法的安心の視点からアドバイス
義務教育の範囲内では、学校の授業だけで十分な学力が身につくようカリキュラムが組まれています。過度な周囲のプレッシャーを感じて無理に通塾を決める必要はありません。ただし、中学校の成績は高校入試の内申に直結するため、遅くとも中1の1学期までに学校の授業についていけるか確認し、必要なら補習の機会を設けると安心です。自治体によっては無料の学習支援もあるので、民間塾に頼る以外に公的なサポートも調べておくと良いでしょう。
本サービスで提供されるアドバイスや見解は、あくまで個人の意見です。これを参考にした結果生じた損害やトラブルについて、当社は責任を負いかねます。また、法的安心の視点でのアドバイスは正式な法律相談ではありません。具体的な法的問題は、専門の弁護士にご相談ください。
有識者の見解 (3件)
西尾 信章 先生
セルモ日進西小学校前教室
周りが塾に通い始めると、「うちも行かせたほうがいいのかな?」と気になりますよね。でも、大切なのは「周りがどうか」ではなく、「お子さんにとって本当に必要かどうか」です。今のところ学校の成績が悪くなく、家庭学習もできているなら、無理に塾に通わせる必要はないかもしれません。
中学受験をしない場合、小学生のうちは学校の勉強をしっかり理解していれば十分なケースが多いです。ただ、中学に入ると授業の進度が速くなり、内容も難しくなってくるので、小6の終わりごろから「中学の勉強に向けて準備が必要かどうか」をお子さんと話し合ってみるといいですね。特に算数(数学)の基礎がしっかりしているかは、中学でのつまずきを防ぐ上で大切なポイントです。
塾に通うタイミングは、お子さんの様子を見ながら決めるのが一番です。中学生になってからでも間に合いますし、むしろ「必要だ」と感じたときに始めるほうが効果的です。焦らず、お子さんと相談しながらベストな時期を見極めていきましょう。
大石 基 先生
名張さかえ進学教室
中学での学習がスムーズにできるように準備を整えてから入学するのが得策です。
具体的には、以下の通りです。
小学校の内容では、算数の分数や小数の計算がどんなものでも大体できること、小学校の英語学習で出てきた英単語を読んだり書いたりできることが重要です。
分数や小数の計算が出来ないと、数学では半分くらい計算ができませんし、理科の計算でも影響があります。最近では、社会や国語でも資料の読み取りで計算が必要になることがあります。また、正負の数の概念などは入学するまでに理解しておいた方が中学の授業が理解しやすくなります。
小学校の英語は、教科化されたとはいえ学校や教師によっては温度差があり、そこまで読み書きについては指導されていない場合があります。しかし、中学校の授業では小学校で習った単語はそのままどっと習うことになります。覚えていることが前提とまでは行きませんが、早急に覚えないと授業について行けなくなるかもしれません。
また、小学校の英語では文法的な説明はされることがあまりないようですが、中学の授業では以前のようにbe動詞を習ってから一般動詞を習う(またはその逆)のではなく、ほとんど同時に教科書に出てきます。さらに、canも早々に出てきますので助動詞に対する理解も必要です。
これらのことを入学前に確認・指導をしてくれる塾に小6の3月くらいから行った方がいいように思います。あるいは、春期講習などで準備講座を行っている塾もあります。こういった時期からの通塾をおすすめします。
沖津 亮佑 先生
個別進学塾セルフクリエイト水戸校
「お子様が塾を必要だと感じたとき」——これが、私が考える最適な通塾タイミングです。
中学生になってからでも、十分に間に合います。
周りの子が塾に通い始めると焦る気持ち、とてもよく分かります。
しかし、「うちはうち、よそはよそ」というスタンスで、お子様に合った学習サポートをしていきましょう。
特に、小学校の算数で「分数の四則演算」「速さの問題」「割合の問題」「比例・反比例」がしっかり理解できていれば、中学1年生の数学の学習はスムーズに進められるはずです。