退会を申し出たら「もったいない」と引き留められて転塾できません
息子(中2)は進学塾に通っていて模試の偏差値も高めですが、最近は友達との時間を優先し、スマホやゲームばかりで勉強に身が入らなくなってきました。息子とも話し合って色々と悩んだ末、より個別のサポートが充実した塾への転塾を決断し、塾へ退会を申し出たのですが、担当の先生から強く引き留められて退会手続きがなかなか進みません。塾としても成績優秀な生徒を手放したくないのか、「今やめるのはもったいない」「3年生の模試代は無料にするので続けてほしい」などと説得され続け、なかなか話がまとまりません。さらに、契約の関係で向こう2ヶ月分の授業料が発生すると言われ、転塾のタイミングも遅れそうです。退会の意思は固いのにここまで引き留められるものなのでしょうか。息子の受験対策を優先したいのですが、スムーズに話を進める方法があれば知りたいです。
教育のプロの視点からアドバイス
塾の引き留めは、成績優秀な生徒の存在が塾の実績にも影響するため珍しくありません。しかし、最も重要なのはお子さんの学習環境が適切かどうかです。現在の塾での学習意欲が低下しているなら、転塾は理にかなっています。スムーズな退会には塾とのやり取りを文書化し、退会の意思を明確に伝えることが有効です。また、次の塾の入塾日を先に決めてしまうことで、余計な引き留めに左右されず、スムーズに移行しやすくなります。
保護者の視点からアドバイス
保護者としてはお子さんの将来を考えた最善の決断をしたにもかかわらず、塾側の都合で引き留められるのは不安ですよね。強引な説得が続く場合は、塾長宛てに「〇月〇日をもって退塾する」と正式な書面を提出し、今後は電話や直接の話し合いを避けるのも手です。支払い面については契約書を再確認し、不明点があれば消費生活センターに相談するのも有効です。お子さんにとって最適な環境を確保することを第一に考え、毅然とした対応を心掛けましょう。
法的安心の視点からアドバイス
契約上の問題で退会が難航することは珍しくありませんが、塾側には退会を拒む権利はありません。まずは契約書を確認し、退会手続きの規定を正しく理解しましょう。「○日前までに申し出る必要がある」などの規定がある場合、それに従うことでスムーズに退会できます。また、引き留めが強すぎる場合、書面で正式な退会届を提出し、受領の記録を残すことが重要です。それでも対応が悪い場合は、弁護士や消費者センターに相談し、適切な対応を取ることで問題解決を図れます。契約の範囲を超えた引き留めには法的手段も視野に入れて対応しましょう。
本サービスで提供されるアドバイスや見解は、あくまで個人の意見です。これを参考にした結果生じた損害やトラブルについて、当社は責任を負いかねます。また、法的安心の視点でのアドバイスは正式な法律相談ではありません。具体的な法的問題は、専門の弁護士にご相談ください。
有識者の見解 (2件)
西尾 信章 先生
セルモ日進西小学校前教室
転塾を決断されたのに、なかなか手続きが進まないのはもどかしいですね。特に成績が良い生徒ほど、塾側としては実績のために引き留めたいという思いがあるのかもしれません。しかし、一番大切なのは息子さんにとって最適な環境を選ぶことなので、塾側の都合に振り回される必要はありません。
スムーズに退会手続きを進めるためには、「もう決定事項である」という意思をはっきり伝え、これ以上の引き留めには応じられないことを明確にすることが重要です。「すでに次の塾との契約も進んでおり、予定を変更するつもりはありません」と伝え、「引き留めの話ではなく、退会手続きを進めてほしい」という一点に絞って話すのが効果的です。また、契約上の2ヶ月分の授業料については、契約書を改めて確認し、本当に支払う必要があるのかを整理してから対応しましょう。
沖津 亮佑 先生
個別進学塾セルフクリエイト水戸校
退会の意志が固いのに引き留められると、次の行動が遅れてしまいそうで不安になりますよね。
塾からの引き留めは少なくありませんが、ここまで強い引き留めは珍しいかもしれません。
ここでは、2つのご提案をさせていただきます。
① 担当の先生ではなく、塾長もしくは本部に連絡して事務的に進める
もし担当の先生とのやり取りで話がなかなか進まない場合は、上の立場にある塾長や本部と直接やり取りをし、退会の手続きをスムーズに進める方法が良いでしょう。
② 退会ではなく、一旦休会として落ち着かせる
担当の先生との関係を崩したくないといったご事情がある場合には、「子どもが勉強に身が入らなくなったため、数か月様子見として休会したい」と申し出る方法もあります。
休会という制度があるか、休会にかかる費用が発生するかなどを事前に確認しておくと良いでしょう。また、休会後に状況を見てから正式に退会することも可能です。
ご参考にしていただければ幸いです。