塾での集中力維持と自己肯定感のバランスが難しいです
昨年の秋から中学生の娘を週2回、個別指導塾に通わせていますが、集中力を維持することが難しいらしく、塾の先生にも「もう少し集中できるようになってほしい」と言われてしまいました。しかし具体的にどうすれば良いのか分からず、試行錯誤しています。娘はADHDを持っていて学校の授業や宿題も苦手です。自宅での学習習慣があまりないため塾での時間が貴重なのですが、集中できずに終わってしまう日が多いようです。兄は優秀で自分で勉強するタイプなので、ついつい比較してしまいがちです。自己肯定感も下がらないようにサポートしたいのですが、どうバランスを取れば良いのか悩んでいます。
教育のプロの視点からアドバイス
塾での集中力を高めるには、まず「短時間集中」の習慣をつけることが効果的です。ADHDの特性を考えると長時間の集中は難しいため、10~15分単位で目標を設定し、達成したら短い休憩を入れる「ポモドーロ・テクニック」などを試してみると良いでしょう。また、視覚的な刺激を減らすために、塾の座席の配置や机の上の整理を工夫するのも有効です。さらに勉強の前後に「やることリスト」を作成し、達成感を感じられる仕組みを作ることで、自己肯定感も同時に育めます。
保護者の視点からアドバイス
お子さんの集中力が続かないことに焦る気持ちはよくわかりますが、まずは「兄とは違う個性がある」ということを意識し、比較をしない環境を作ることが大切です。ADHDの特性を持つ子どもは「できた!」という成功体験が自己肯定感を支えるので、塾の勉強でも小さな成功を積み重ねるサポートをしましょう。例えば、「今日は5分間、問題に取り組めたね!」と具体的に褒める習慣をつけると良いです。集中できなかったことより、どこができたかに注目することで、前向きな学習意欲につながります。
法的安心の視点からアドバイス
お子さんのADHDについて塾としっかり情報共有できているでしょうか? 個別指導塾であっても、発達特性を考慮した対応が十分でない場合、適切な支援が受けられないことがあります。合理的配慮の観点からも学習方法の工夫や休憩の取り方など、塾側と話し合うことが重要です。また、学習環境の改善が必要ならば、指導方針の見直しを依頼する権利があります。ADHDの特性を理解し、寄り添った指導をしてくれる塾かどうかも、今後の通塾を考えるうえで重要なポイントとなります。
本サービスで提供されるアドバイスや見解は、あくまで個人の意見です。これを参考にした結果生じた損害やトラブルについて、当社は責任を負いかねます。また、法的安心の視点でのアドバイスは正式な法律相談ではありません。具体的な法的問題は、専門の弁護士にご相談ください。
有識者の見解 (2件)
沖津 亮佑 先生
個別進学塾セルフクリエイト水戸校
娘さんの特性を理解しながらバランスを取ること、悩んでしまいますよね。
親御様ができることは、娘さんの「できたこと」を全て承認し、そしてお兄様との比較を言葉にしないようにすることです。
例えば、昨日は5分しか集中できなかったのに今日は10分も自宅学習ができた場合には、「今日は10分も集中してできたね」と、具体的に伝えると良いでしょう。
過去の娘さんと今の娘さんを比較し、できるようになったことを積極的に承認してあげてください。
このような積み重ねによって、娘さんの集中力は少しずつ継続していくはずです。また、それに伴い、自己肯定感が下がることも防げるでしょう。
塾の先生には、娘さんがADHDであることをお伝えされていますでしょうか?
もしまだお伝えしていないようであれば、言いにくいかもしれませんが、早めにお伝えすることをおすすめします。
その方が、塾の先生も別の提案をしてくれたり、指導方法を工夫したりするなど、より適切なサポートが受けられるかと思います。
既にお伝えされている場合には、「自宅で集中力を高めるために何かできることはありますか?」と具体的に相談してみることをおすすめします。
西尾 信章 先生
セルモ日進西小学校前教室
ADHDの特性があるなら、「もっと集中してほしい」と求めるより、「どうすれば集中しやすくなるか」を一緒に考えることが大切ですね。特に、兄弟との比較は避けて、お嬢さんなりの学習スタイルを見つけることが自己肯定感を守るポイントになります。
塾での学習時間を有効に使うために、短時間の課題を区切って進める方法や、体を動かしてから学習する工夫などを試してみるのも良いでしょう。塾の先生にも特性を伝え、指導方法を調整してもらうのも一つの手です。
そして、何より「できたことを認める」声かけが大切です。「勉強しなさい」ではなく、「一緒にやってみよう」と促す方が前向きに取り組めます。焦らず、お嬢さんのペースを尊重しながら温かく見守っていきましょう。