塾に通い始めてから学校の勉強をバカにするようになってしまった…
子どもが塾に通い始めてから、学校の授業を「簡単すぎる」「時間の無駄」と言うようになってしまいました。塾でハイレベルな内容を学ぶのは良いことだと思っていましたが、学校の授業中に集中していない様子や、先生の話を聞かずに内職をしていることがあると聞いて驚いています。学校の成績も良く、塾の模試でも好成績を取っていますが、このままだと学校の授業態度に問題が出てしまうのではと心配です。学校の授業も大切だと理解させたいのですが、「塾のほうが効率がいい」と反論されてしまい、どう伝えれば納得してくれるのかわかりません。どのようにバランスを取らせるべきでしょうか?
教育のプロの視点からアドバイス
塾で高度な内容を学ぶことは素晴らしいですが、学習は「知識を得ること」だけでなく「社会性を育むこと」も含まれます。学校の授業には、異なるレベルの生徒が共に学ぶ環境や、基礎を徹底する意義があります。お子さんには「学びを深めるために、簡単なことでも違う視点から考える訓練をすることが大切」と伝え、授業の中で新たな発見をする姿勢を促しましょう。また、先生の説明を聞くことで、他者の意見を尊重する姿勢も身につきます。学校と塾を対立させるのではなく、それぞれの役割を理解させることが重要です。
保護者の視点からアドバイス
「塾のほうが効率がいい」という考えを否定せず、お子さんの成長を認めながら、学校の意義を伝えることが大切です。「学校は勉強だけの場ではなく、人間関係を学び、先生や友達とコミュニケーションを取る大切な場所」と話し、勉強以外の価値にも目を向けさせましょう。また、学校で習ったことを家で説明してもらうのも良い方法です。簡単だと思っていることでも、人に伝えることで新たな理解が生まれます。塾の学習と学校生活のバランスを保つため、学校をより充実した時間にする工夫をしてみましょう。
法的安心の視点からアドバイス
学校の授業に対する姿勢は、内申点や推薦入試に影響を及ぼす可能性があります。内職が頻繁になり、先生の指示を無視するような態度が続けば、「授業態度不良」として評価に響くこともあります。成績だけでなく、学校での協調性や態度も進学時に見られる点であることを冷静に伝えましょう。また、学校教育は法律で定められた義務教育の一環であり、学習環境の尊重が求められます。「塾の学びを最大限に活かすためにも、学校での学び方を工夫することが重要」と説得し、学びの多様性を理解させることが大切です。
本サービスで提供されるアドバイスや見解は、あくまで個人の意見です。これを参考にした結果生じた損害やトラブルについて、当社は責任を負いかねます。また、法的安心の視点でのアドバイスは正式な法律相談ではありません。具体的な法的問題は、専門の弁護士にご相談ください。
有識者の見解 (2件)
山本 涼太郎 先生
個別教育クラーク
お子さんが塾での学習に手応えを感じ、自信を持っているのは素晴らしいことですね。ただ、学校の授業を軽視する態度が出てきたことには不安を感じられたことと思います。このままでは「学ぶこと=効率と成果」だけになってしまい、長期的に見ると学びの本質を見失ってしまう可能性もあります。このような発言が先生の耳に入ってしまうと、調査書(内申)にも響いてきそうです。
ここで大切なのは、「学校の授業には価値がある」とお子さん自身に気づいてもらうことです。
1. 「学校の授業の価値」を一緒に考える
「学校の授業は簡単すぎる」と言うお子さんに、「たしかに、塾のほうが先取り学習もできて、効率よく感じるかもしれないね。でも、学校の授業って本当に『無駄』なのかな?」と問いかけてみるのはどうでしょう。
例えば、次のような視点から考えられます。
◯他の人に教える力がつく
学校の授業では「友達にわかりやすく説明する」「先生の説明を聞いて、自分ならどう説明するか考える」ことで、理解が深まる。
◯コミュニケーションの場でもある
学校は、知識を得るだけでなく、友達や先生との関わりを通して、協調性や社会性を育む場でもある。
◯「知っていること」でも、新しい視点が得られることがある
先生の話し方や例え話から、自分が考えたことのない視点を学ぶことができる。
これらを伝える際、「学校の授業は大切だから、ちゃんと聞きなさい」とこちらの意見押しつけるのではなく、「学校の授業にはどんな価値があると思う?」とお子さん自身が考えられるように促すのがポイントです。
2. 「効率」だけでなく、「人とのつながり」も大事と伝える
お子さんが「塾のほうが効率がいい」と主張するのは、わからなくもないのですが、人生は「効率」だけでは成り立ちません。学校は「人といっしょに学ぶ場所」でもあります。
「社会に出たら、知識があるだけじゃなくて、相手に伝える力や、一緒に働く力が求められるよね。今、学校でどう振る舞うかが、そういう力をつけるチャンスと考えてみるのはどう?」と話してみると、お子さんも少し考え始めるかもしれません。
3. 学校の授業を「活用する」視点を持たせる
「簡単すぎる」と感じる授業こそ、実は学びを深めるチャンスです。例えば、次のような提案をしてみてください。
◯授業中に「違う視点」から考えてみる
「先生の説明を聞きながら、違う方法で解くとどうなるか考えてみる」など、授業を受けながら自分なりの発見をする習慣をつける。
◯質問を考える習慣をつける
「授業で先生が唸るような質問を探してみよう」と促すと、能動的に授業を聞くようになる。
4. 「一緒に考える」スタンスを大切にする
大人が「学校も大事だから、ちゃんとしなさい」と言うと、「わかってもらえない」と反発してしまうこともあります。
「あなたの考えも分かるよ。確かに効率的に学ぶことは大事だよね。でも、学校の授業を受ける意味って、何か他にもあるんじゃないかな?」と、一緒に考えるスタンスを取ると、お子さんも「親に押しつけられている」とは感じにくくなります。
ぜひ、この機会をチャンスと捉えて、より深い学びができるよう導いてあげてください。
西尾 信章 先生
セルモ日進西小学校前教室
塾での学習が進んでいると、どうしても学校の授業を軽視してしまう傾向が出てきますよね。「簡単すぎる」「時間の無駄」と感じるのも、ある意味成長の証ですが、だからといって授業態度がおろそかになるのは避けたいところです。学校の授業は、知識の定着だけでなく、先生やクラスメイトとの関わりを通じて学ぶことも多く、決して無駄な時間ではありません。
もしあまりに天狗になっているようであれば、「そんなに授業がつまらないなら、全部休んでみる? その上で定期テストで上位をキープできるよね?」と、少し強めに問いかけてみるのも一つの手です。学校の授業を完全に無視した状態で、本当に成績を維持できるのか。実際にやってみれば、授業の価値を再認識するきっかけになるかもしれません。
最終的には、お子さん自身が「学校の授業にも意味がある」と気づくことが大切です。例えば、「授業でしっかり聞いておけば、復習の時間が減るよ」といった視点を伝えるのも効果的かもしれませんね。塾と学校、どちらも大事な学びの場ですから、そのバランスを上手に取れるよう、温かく見守ってあげましょう。