高校無償化になると公立より私立に行かせる方がいいのでしょうか?
4月から中学2年生になる子どもがいます。最近、高校無償化のニュースをよく目にしますが、これを機に高校は私立を選ぶべきか悩んでいます。授業料は補助されるものの、その他の費用は私立の方がかなり高いと聞きます。公立と私立で実際にどれくらいの負担の差があるものなのでしょうか?また、私立には補習や特別講座が充実していて、「塾なしでも大学受験に対応できる学校がある」と聞きますが、そのような学校に行くと本当に塾へ行かなくても大丈夫なのでしょうか?せっかくの無償化を上手に活かすために公立と私立の違いをしっかり比較して、今のうちから考えておきたいと思っています。
教育のプロの視点からアドバイス
高校無償化によって私立高校の選択肢が広がるのは確かですが、公立・私立の違いは授業料だけではありません。例えば、私立は独自のカリキュラムを持ち、大学受験に向けた指導が手厚い学校が多い一方で、公立は地域に密着した教育を行い、指定校推薦の枠を活用できることもあります。また、私立の学費補助があるとはいえ、施設費や教材費、研修費などの負担は公立より大きいのが実情です。塾なしで大学受験が可能かは個人の学習状況によります。どの高校が子どもに合うかを、指導方針や進路実績と合わせて慎重に比較検討してください。
保護者の視点からアドバイス
高校無償化の話題が増え、私立高校を選ぶかどうか迷いますよね。確かに授業料の補助があっても、私立は施設費や教材費、制服代、修学旅行費などが公立より高くなることが多いです。また、塾なしで大学受験ができるかどうかも、学校の指導方針だけでなく、お子さんの学習スタイルや志望校によります。私立は手厚いサポートが魅力ですが、公立でも進学に強い学校はあります。まずは、どの高校が合うのか、実際に学校説明会や文化祭に足を運び、先生や在校生の雰囲気を感じながら判断することをおすすめします。
法的安心の視点からアドバイス
授業料が高額な私立高校の場合、全額が無償化されるわけではなく、追加の自己負担が生じる可能性があります。 また、無償化の対象となる費用は授業料に限定され、入学金や制服代、修学旅行費などは対象外となるため、思った以上の自己負担が発生することもあります。入学前に学校の公式サイトや教育委員会の情報を確認し、補助の詳細や条件を把握することが大切です。また、高校無償化についてはこれから新しい情報が発表される可能性もあるため、最新の制度内容を定期的に確認し、将来の負担を見据えた計画を立ててください。
本サービスで提供されるアドバイスや見解は、あくまで個人の意見です。これを参考にした結果生じた損害やトラブルについて、当社は責任を負いかねます。また、法的安心の視点でのアドバイスは正式な法律相談ではありません。具体的な法的問題は、専門の弁護士にご相談ください。
有識者の見解 (1件)
沖津 亮佑 先生
個別進学塾セルフクリエイト水戸校
お子様の高校選び、悩みますよね。
仰る通り、授業料は補助されますが、私立高校の場合は施設費などで高額な支払いが発生します。
私が住んでいる茨城県を例にとると、以下のような費用差があります。
■公立高校(全日制)の場合
授業料:年間 約12万円
入学金等:約8,000円
設備費:年間 約3,000円
■私立高校(全日制)の場合
授業料:年間 約40万円
入学金等:約18万円
設備費等:年間 約25万円
※授業料が無償化された場合の初年度負担額
公立高校:12,000円
私立高校:430,000円(※入学金の補助がある場合も)
このように、授業料の補助を受けても、公立と私立では40万円以上の差が生じます。
「塾なしでも大学受験に対応できる」と謳っている私立高校も多いですが、
実際には、高校3年生の通塾率が50%を超える学校が多いのが現状です。
大学受験の多様化により、高校の補習や特別講座だけではカバーしきれないケースが増えているためです。
そのため、「私立高校に進学し、塾なしで大学受験」よりも、「公立高校に進学し、高校3年生から塾に通う」方が、3年間の教育費を抑えられる可能性が高いです。
ここまでお金の話を中心にしましたが、高校選びの最大のポイントは、「お子様がその高校で3年間過ごしたいと思えるかどうか」です。
私立高校を選択肢に入れる場合でも、公立と私立の両方を見学し、お子様としっかり話し合ったうえで第一志望を決定することをおすすめします。