広告に書かれている成績アップの実績は一部の優秀な生徒だけに偏っていますか?
先日、地元で評判の塾のチラシを見て「驚異の成績アップ実績!」と大々的に宣伝されているのを見ました。しかし、その実績が塾にいる生徒全員の成果なのか、それとも特定の優秀な生徒だけによるものなのかが気になります。うちの子どもは学校の勉強についていけない状況で、塾に通わせたい理由は基礎力を固めて着実に成績を上げてほしいからです。その塾が本当に子どもの成績を上げてくれるのかを判断するための確認方法を教えてください。
教育のプロの視点からアドバイス
成績アップ実績の背景を確認するには、まずその塾が公開している具体的なデータやサンプルケースを尋ねることが有効です。「何名中何名がどのように成績を上げたのか」を詳細に説明してもらいましょう。また、保護者説明会や体験授業で、実際のカリキュラム内容や成績が向上した生徒の事例について具体的に質問してください。特に「基礎的な学力の向上にも力を入れているのか」という点を確認することが大切です。
保護者の視点からアドバイス
私も似たような悩みを持っていた経験があります。直接塾に問い合わせて、「過去の成績アップ事例のうち、特に中位層や苦手科目が克服できた生徒の割合」を具体的に聞いてみました。また、体験授業後には塾長から授業の振り返りや子どもの理解度、今後の課題について説明を受けました。他の保護者の口コミやレビューを参考にし、特にお子さんと同じ学年や似た学力層の生徒がどのように成績を上げたのかを探ると、安心感が得られると思います。
法的安心の視点からアドバイス
学習塾の広告やチラシでは、特定の生徒だけの成績アップ実績を強調して掲載すること自体は法律で禁止されているわけではありません。しかし、掲載されている実績が全体の成果を反映したものなのか、一部の生徒のケースを抜粋したものなのかを確認することは重要です。また、具体的なデータや事例を求めることで広告内容がより明確になります。消費者契約法や景品表示法においても、誤解を招くような表示は問題視されるため、疑問があれば説明を求める権利があります。
本サービスで提供されるアドバイスや見解は、あくまで個人の意見です。これを参考にした結果生じた損害やトラブルについて、当社は責任を負いかねます。また、法的安心の視点でのアドバイスは正式な法律相談ではありません。具体的な法的問題は、専門の弁護士にご相談ください。
有識者の見解 (3件)
沖津 亮佑 先生
個別進学塾セルフクリエイト水戸校
塾の成績アップ実績には、特定の生徒さんだけが掲載されていることが多いです。
ただし、その生徒さんが元々優秀だったのかどうかは、判断が難しいかと思います。
塾もサービス業の一種であるため、保護者様に良いイメージを持ってもらおうとする意図は少なからずあります。
そのため、「偏差値30から60にアップ!」「数学のテスト40点から85点!」など、大きな成績変化をした事例が目立つ傾向があります。
もちろん、偏差値が60から65になったり、数学の点数が80点から95点に上がった生徒さんもいるかもしれません。
このような着実な成績の伸びも非常に価値がありますが、振れ幅が大きい事例の方がよりインパクトが強く見えるため、「元々優秀でなかった生徒さんの大きな変化を出した成果」が掲載されることが多いのです。
成績アップの実績も大事ですが、何より重要なのは「その塾がお子様に合っているかどうか」です。
現在、学習塾には多様なスタイルがあります。例えば、集団塾、個別指導塾、タブレット学習塾、コーチング塾などです。
さらに、学生講師中心の塾や、社会人講師中心の塾など、塾ごとに特徴も異なります。
まずは、ネットやチラシを活用して、お子様に合いそうな塾をいくつかピックアップし、実際にお子様と一緒に見学に行くことをおすすめします。
塾の雰囲気や、先生と直接会話してみた際の感触を比較しながら、お子様にマッチする塾を見つけてください。
お子様に合った塾で勉強を継続することで、着実に成績が上がっていくはずです。無理なく長く続けられる環境を整えることが、最も大切なポイントです。
山本 涼太郎 先生
個別教育クラーク
「全国学習塾協会」等に属していて、「合格実績適合宣言マーク」をつけているところは、基準に則って実績を出しています。
私の塾は個別塾なので、生徒一人ひとりの目標を達成することが大事だと考えています。そのため、大々的には実績を出しておらず、その必要もないと思っています。
ただ、合格後、先生たちへの感謝の印として写真や合格校を掲載してくれる生徒さんは、難関校に合格された生徒さんが多めかもしれませんね。
大石 基 先生
名張さかえ進学教室
「特定の優秀な生徒」はもともと成績がいいので、あまり上がりません。それよりも、これまであまり点数が良くなかった生徒さんが成績が上がります。
成績が低迷していることの原因はだいたい「あまり勉強していない」か「勉強のやり方が間違っている」からです。したがって、正しい勉強方法で継続的に勉強すれば普通は成績が上がります。入塾して二回目の定期テストで向上するのが目安となるでしょう。
広告に書かれていることだけでなく、どのような環境でどのように教えてくれるのかを、体験授業などを通じて確かめるのが良いと思われます。