YouTubeだけで大学受験を乗り切れるものでしょうか?
先日、高校1年生の息子に大学受験の話題を出したところ、「今ってYouTubeの動画で全部カバーできるから塾なんて必要ないんじゃね?」と言われました。確かにYouTubeには有名な先生の授業動画や受験勉強に役立つ動画がたくさんあるようですが、本当にそれだけで大丈夫なのでしょうか?特に息子は部活もやっていて、勉強計画を立てたり管理すること自体できそうにありません。近い将来、しっかりと塾に通わせるべきか、それとも息子の言うようにYouTubeだけで勉強させるべきか、どう思われますか?
教育のプロの視点からアドバイス
高校1年生の段階から大学受験を意識するのは素晴らしいことです。YouTubeの動画は幅広い知識を得るのに役立ちますが、体系的な学習計画を組むには難しい面もあります。特に部活で忙しい場合、計画を立てるだけでなく実行をサポートする仕組みが必要です。塾では定期テスト対策から大学受験の基礎固めまで、長期的な視点で指導が受けられるメリットがあります。まずは、体験授業や相談会で息子さんに合う学習環境を探すことをおすすめします。
保護者の視点からアドバイス
息子さんの意見を尊重しつつも家庭でのサポートが不可欠だと思います。YouTubeを利用する場合でも、週に一度は親子で勉強の進捗を確認する時間を設けると良いでしょう。また、模試を受けることで現在の学力を把握し、YouTubeだけで足りるかどうか判断できます。ただし、忙しい部活との両立を考えると、塾や予備校で効率的に学ぶことが息子さんの負担軽減につながる可能性もあります。一度時間を見つけて、最寄りの塾を探したり、外部生向けの相談会に参加してみるのも良いかもしれません。
法的安心の視点からアドバイス
YouTubeは便利なツールですが動画の質や信頼性はまちまちです。一部の動画では誤った情報や古いデータが含まれていることもあります。また、著作権の問題や不適切な広告に注意が必要です。一方で塾や予備校は契約内容が明確で、受験指導の専門家によるカリキュラムが提供されます。塾を検討する際には、長期的な契約や途中解約の条件をしっかり確認しておくと安心です。家庭でもYouTubeを活用しつつ、専門家のサポートを組み合わせる方法がリスクを最小限にするポイントです。
本サービスで提供されるアドバイスや見解は、あくまで個人の意見です。これを参考にした結果生じた損害やトラブルについて、当社は責任を負いかねます。また、法的安心の視点でのアドバイスは正式な法律相談ではありません。具体的な法的問題は、専門の弁護士にご相談ください。
有識者の見解 (3件)
岡本 和也 先生
オンライン予備校かもスク
オンラインで学習管理塾を運営しています。
結論、生徒さんによりけりになってしまいますが、ご自身で志望大学・学部にあわせた目標・ゴールを設定し、ゴールから逆算した学習計画が立てられること、誘惑に負けず集中して学習に取り組めること、が必須のポイントになるのではないかと思います。
判断軸として「YouTube学習」でのメリットとデメリットは以下の通りです。
▼メリット
・質の高いコンテンツが無料で利用できる
有名な先生の講義や受験テクニックを手軽に学べる。
・時間や場所の制約がない
好きな時間に好きなだけ学べる。
・レベルや科目ごとの多様な内容
特定の単元や苦手分野に特化した動画を探せる。
▼注意点
・学習の計画性が必要
息子さんが指摘されたように、計画を立てて実行する能力が必要です。部活との両立が難しい場合、進捗管理ができずに効果が半減する可能性があります。
・自制心と集中力が求められる
YouTubeは娯楽性の高いコンテンツも多く、誘惑に負けやすい環境です。
・学習の体系性に欠ける
内容が断片的になりがちで、体系的な学びが難しい場合があります。
もちろん、その他にもメリット・デメリットはありますが、あくまで一例として参考になれば幸いです。
中村 友 先生
高2までの英語塾OUTCOME
お子さまにとって、受験に向けて、いまなにができていて、何が足りないのか、それをどのように補っていくのかということが明確になっていれば、youtubeで勉強を進めることも1つの選択肢になり得ます。しかしながら、高校生でここまで自己分析をして行動をしていることは稀で、学校の先生や時には塾を使いながらサポートを受けていくことが
一般的です。
受験を成功させるには、自分自身のことを正しく現状把握し、いま自分に足りないものをどのように勉強すればよいのかを突き詰めて、それを愚直にこなしていくことです。
確かにyoutubeには複数の動画がアップされていて、調べたい単元を検索すると出てくるようになりました。しかし動画での学習は「できるようになった」という錯覚を覚えることも多く、視聴後に自分で問題を解き直してみると全く解けないといったことも起きます。
私の塾のOUTCOMEでは、基本的に動画視聴メインの授業です。しかし動画視聴だけに終わらず、週1回は必ず講師との振り返り面談を行い、授業動画で覚えるべきルールを講師から質問し、的確に答えられているかを確認することで、本人の理解度をチェックしております。
まずはお子さまについての現状把握から実施し、どのような勉強スタイルがフィットするのかをお考えいただくことからおすすめいたします。
名川 祐人 先生
Studyコーデ
勉強が相当得意なお子さんに限り、youtube等の動画で大学受験を成功させることができると考えます。
「勉強が得意」とは、動画や参考書で見聞きしたことをスムーズに正しく自分一人で理解でき、定着させる復習を自身で考案して実行でき、同種の問題に学んだ知識を応用して正解できる状態を指します。
そもそも勉強が苦手な人は、授業や参考書の内容をただ見聞きしただけでは100%理解ができていないケースが多いです。そこで、それらについて質問をしたり別途指導してもらうために塾に通います。
また自分自身で復習の方法や計画を立てたり、定着したかセルフチェックをできることも成績を上げるためには必須のスキルです。しかし、それらも日常的な勉強習慣があり、容量のいい、限られた一部の人でなければ難しい印象です。
私の在籍するStudyコーデでも動画の授業で学習してもらうコンテンツがありますが、視聴後に必ず講師と面談をして習熟度をチェックしたり、次回授業時に確認テストをするなどして、ただ動画を見っぱなしで終わるようなことにならないよう仕組みを作っています。そのような動画視聴後の一連の学習があるからこそ知識を正しく吸収できて成績が向上している様子があります。
もしご質問のように計画立案や管理が苦手なお子さんなのだとすれば、動画だけでは失敗するリスクも高いと思いますので、まずは高1のうちに本人が納得するまでyoutubeでやらせてみて、効果を検証なさってから判断なさるのがよいかもしれません。