塾のやめ時が知りたい。判断基準を教えてください
中1の息子が入学と同時に塾に通い始めました。クラスでも成績は良い方で塾の効果も感じていますが、最近「もう塾に行きたくない」と言い始めました。理由は「クラブが忙しくて時間がない」「友達と遊ぶ時間がない」「周りの友達は塾に行ってない」「自分の時間がもっとほしい」とのことです。息子の話を聞くうちに、無理に続けさせるよりも一度塾をやめて生活に余裕を持たせた方が良いのではと思い始めました。ただ、辞めるタイミングがいつが良いのか分かりません。どのような時期や方法で辞めさせるのがベストなのか、アドバイスをお願いします。
教育のプロの視点からアドバイス
塾を辞めるタイミングとして適切なのは定期テストや模試などの結果が出た後です。そのタイミングで現在の学力を客観的に把握し、家庭学習や他の学習方法に移行する準備が整います。ただし、塾には「学ぶ習慣をつける」という大きな役割があります。一度辞めた後も学習のリズムが崩れないように、家庭学習のスケジュールをしっかり立てておくことが重要です。また、将来的に再び塾のサポートが必要になる場合もあるため、辞める際には塾との関係を円満に保つことをおすすめします。子どもの成長段階に応じて学び方を柔軟に変えることが大切です。
保護者の視点からアドバイス
息子さんの生活を優先させるのであれば、できるだけ早く辞めることも選択肢です。ただし、辞めた後のスケジュールを親子でしっかり話し合うことが大切です。例えば、「週に何時間を家庭学習に充てる」「学校の勉強で分からないところを家で補う」など具体的なプランを立てると安心です。クラブ活動や友達と遊ぶ時間が増えることで息子さんのストレスが軽減され、学校生活全体が充実する可能性もあります。まずは息子さんと相談して進めましょう。
法的安心の視点からアドバイス
塾を辞める際には、契約書に記載された退塾通知の期限を確認することが重要です。多くの塾では、1~2カ月前に退塾を申し出る必要があります。手続きがスムーズに進むよう、早めに塾側と話し合いましょう。また、残りの授業料や未使用の教材費について返金があるかどうかも確認しておくと良いでしょう。さらに、辞めた後に万が一再通塾を希望する場合に備えて再入会時の条件なども確認しておくと、後々困ることが少なくなります。
本サービスで提供されるアドバイスや見解は、あくまで個人の意見です。これを参考にした結果生じた損害やトラブルについて、当社は責任を負いかねます。また、法的安心の視点でのアドバイスは正式な法律相談ではありません。具体的な法的問題は、専門の弁護士にご相談ください。
有識者の見解 (2件)
山本 力大 先生
オンライン個別指導塾Cheers!
こんにちは!
まず、息子さんの本音がはっきりしているのは大収穫です。クラブも友達も自分時間も、どれも中1の今しかない大事なリソースです。無理を重ねて勉強嫌いに振れるのは、親としていちばん避けたいところですよね。
よくある一般論は二つです。
このまま続けて習慣を死守、か。スパッと退塾して余白を取り戻す、か。どちらも正しそうですが、極端です。おすすめは「段階的に軽くする→合うタイミングで離れる」というソフトランディングです。
ここからは実務です。時期と方法を分けて考えると迷いが減ります。
一 時期の決め方
中間直後、期末直後、学期末の三択が基本です。テスト直後は区切りがよく、先生も指導の総括がしやすいです。学期末は学校と家の予定が切り替わるので生活リズムを組み直しやすいです。月謝の締め日や退塾届の締切があるので、今月は通うのに来月分が引き落とされる、のような齟齬がないよう事務に一度だけ確認しておくと安心です。
二 やめ方の手順
最初に減コマを打診します。週二を週一、または得意科目だけ残す“メンテ通塾”です。次に休会が可能なら一度止めます。再開の窓口を確保したまま生活の余白を体験できます。それでも「やはり外したい」となったら退塾へ。いきなりゼロより段階を踏むほうが、子どもの心理負担は小さくなります。
三 塾への伝え方
感情ではなく予定表で話すのがコツです。例えば
四月末の期末返却までお願いしたいです。その後は部活と生活リズムを優先し、六月末まで休会を希望します。必要なら夏に短期講習だけ参加させてください。
のように期限と意図を先に伝えると、先生は最適な残りカリキュラムを作りやすいです。
四 子どもと交わす“やめた後の契約”
塾を外す代わりに、週合計九十分のホームメニューを約束します。英単語五分を一日二本、数学の計算五問を一日一本、好きな読書十分を週三回。全部タイマーで可視化します。長時間は要りませんがゼロは危険です。塾を外しても基礎の火は消さない、という合意が安心の土台になります。
五 二週間の予行演習
本退塾の前に、塾のない曜日を二週連続で作り、部活と友達と自分時間がどう回るかをテストします。時間が余ってダラダラしてしまうなら、やめた後の生活設計を先に練り直すサインです。逆に顔色が明らかに良くなるなら、離れる準備が整っています。
六 戻り道を最初に決めておく
夏と冬の講習、定期テスト前だけ単発参加、オンラインの質問日だけ利用。こうした一時利用の枠があるかを確認しておくと、学習のブレーキとアクセルを季節で調整できます。
七 先生への一言
これまでの感謝と、戻る可能性を短く添えます。例えば
今は部活優先にしますが、講習やテスト前にまたお願いしたいです。
この一言で先生は最後まで丁寧に伴走してくれます。雑にならないいちばんの予防線は、相手を信頼していると伝えることです。
最後に判断の目安を置いておきます。
一か月で睡眠時間と笑顔が増え、定期テストが二回連続で大きく崩れないなら離脱は成功です。逆に一回で五教科合計が大幅に落ち、宿題ゼロの日が増えるなら、メンテ通塾や短期講座で火を入れ直しましょう。
というわけで
段階的に軽くする、伝えるのは区切りの直後、家庭内ミニメニューで火を守る、戻り道は先に確保。
この順で動くと、息子さんの今を大事にしながら学力の土台も守れます。
応援していますね!
大石 基 先生
名張さかえ進学教室
塾の効果を感じているのなら辞めない方がいいように思います。特に中1の学習内容はわかっても、中2になるとぐっと難しくなる場合が多いですから。ただし、現状では塾が負担になっているようですので、辞めるのではなく減らす方向で考えてはいかがでしょうか。科目数を減らしたり、通塾時間を減らしたりするのが良いと思われますので、塾と相談してみたらいいでしょう。