将来の目標がない子どもに勉強の必要性をどう伝えればいい?
小学6年生になる子供が、「将来なりたいものが決まってないのに、なんで勉強しなきゃいけないの?」と言い出しました。親としても納得させる答えをうまく伝えられません。私自身は、勉強しておけば将来の選択肢が広がると思っていますが、それだけでは小学生になかなか響かず、本人のやる気にはつながらないようです。将来の夢が決まっている子ならまだしも、目標がない子どもに納得してもらうにはどうすればいいのでしょうか?頭ごなしに「勉強しなさい」と言うのではなく、本人が前向きに学べるような伝え方があれば知りたいです。
教育のプロの視点からアドバイス
勉強の必要性を伝える際、子どもがワクワクできるような実感を持たせることが大切です。例えば、「世の中の面白いことは、知識があるともっと楽しめる」という視点で話してみましょう。漫画やゲーム、スポーツでも、ルールや背景を知るとより深く楽しめますよね?数学を学ぶとパズルが得意になったり、国語ができると推理小説をもっと楽しめたりする。勉強は自分の世界を広げる道具なのだと伝え、日常の興味とつなげることで、自然と学ぶことが面白く感じられるようになります。
保護者の視点からアドバイス
親としては将来の選択肢を広げてほしいという思いがありますが、子どもにとって「将来のために今頑張る」という考えは実感しにくいものです。そこで、勉強を将来のための努力ではなく、今の自分に役立つものとして伝えてみましょう。例えば、計算が速くなると買い物でお釣りの計算がすぐできる、読解力がつくとゲームの説明文がすぐ理解できる、など具体的な場面を挙げると効果的です。小さな「できた!」の積み重ねが、自信とやる気につながっていきます。
法的安心の視点からアドバイス
教育を受ける権利は憲法にも定められた基本的なものです。しかし、法律を持ち出すと押しつけがましく感じるので、実生活に結びつけて説明するのが効果的です。「義務教育はどんな家庭の子でも安心して学べる環境を提供するためにあるんだよ」と話すことで、勉強は「誰かにやらされるもの」ではなく、「自分を守る権利でもある」と理解しやすくなります。また、勉強することで契約書やルールを読める力がつき、大人になったときに損をしない知識が得られることを伝えると納得感が生まれるかもしれません。
本サービスで提供されるアドバイスや見解は、あくまで個人の意見です。これを参考にした結果生じた損害やトラブルについて、当社は責任を負いかねます。また、法的安心の視点でのアドバイスは正式な法律相談ではありません。具体的な法的問題は、専門の弁護士にご相談ください。
有識者の見解 (3件)
山本 力大 先生
オンライン個別指導塾Cheers!
子供が「将来なりたいものが決まってないのに、なんで勉強しなきゃいけないの?」と疑問に思うのは、ごく自然なことです。
親としては、勉強は将来の選択肢を広げるための大切なツールであり、知識や考える力を身につけるための基礎だと伝えたいところです。
ただし、具体的な夢がまだ決まっていない小学生には、「将来の選択肢が広がる」という抽象的な話だけでは響きにくいかもしれません。
そこで、たとえば好きなゲームやスポーツ、アニメなど、子供が興味を持っている分野で、勉強がどのように役立つか具体的な例を示してみるのはいかがでしょうか。
「勉強しておけば、好きなことをもっと深く理解できるし、新しい発見があるよ」とか「勉強することで、今は見えなかった世界が広がって、将来君が夢中になれるものが見つかるかもしれないよ」といった具合に、身近な例を交えて話すと分かりやすいでしょう。
また、勉強は単に知識を覚えるだけでなく、考える力や問題解決能力、人と協力する力など、将来どんな仕事をするにしても役立つスキルを育むものだと説明するのも効果的です。
さらに、今は夢がはっきりしていなくても、いろいろな分野に触れることで自分の興味が自然に広がるという安心感を伝え、「今のうちは色々なことにチャレンジして、将来のヒントを探してみよう」と前向きなメッセージを与えることが大切です。
最も大事なのは、頭ごなしに「勉強しなさい」と命令するのではなく、子供自身が「勉強することの楽しさや意味」を少しずつ感じ取れるよう、対話を重ねることです。
まずは子供の話に耳を傾け、何に興味があるのか、どんなことが楽しいと感じるのかを一緒に探ることで、自然に学びに対する好奇心ややる気が芽生える環境を作っていけると良いでしょう。
沖津 亮佑 先生
個別進学塾セルフクリエイト水戸校
お子様の純粋な疑問に答えるのは、なかなか難しいですよね。
仰る通り、小学生に「将来のため」「選択肢が広がるから」と伝えても、未来が遠すぎてピンとこないことが多いと思います。
そこで、お子様が前向きに学べるようになる方法を2つご提案します。
① 親子で同じ目標に向かって学ぶ
漢字検定や英語検定など、「合格」を目指して親子で一緒に勉強する時間を作ってみましょう。
例えば、
・お子様は漢検3級、親御様は漢検2級 を目指して勉強する
・毎週○曜日は、親子で30分勉強タイムを作る
このように、一緒に目標を設定し、達成する経験を積むことで、「勉強=楽しいもの」と感じやすくなります。
② 興味を引く学びを提供する
プログラミング、歴史検定、科学実験など、お子様がワクワクするような学びを1つ提案してみてください。
「ゲームを作れるよ!」とプログラミングに誘う
「戦国武将クイズをやってみよう!」と歴史に興味を持たせる
遊び感覚で学びを始めることで、自然と「勉強も楽しいかも?」という気持ちになりやすくなります。
勉強をやらせるのではなく、勉強をするきっかけを与えることが大切です。
ぜひ、お子様に合った方法を試してみてください!
西尾 信章 先生
セルモ日進西小学校前教室
「勉強しなさい」ではなく、「学んでみよう」と伝えるのが大事ですね。小学6年生なら、まだ将来の夢が決まっていなくても当然です。むしろ、今はさまざまなことに触れながら、「自分は何が好きなのか?」を探る時期。勉強もその手段のひとつだと考えれば、少し気持ちが楽になるかもしれません。「勉強=将来のため」だけでは、子どもにとってピンとこないもの。例えば、本人が興味を持っていることと勉強をつなげてみるのはどうでしょう?ゲームが好きならプログラミング、スポーツが好きなら体の仕組みや記録の計算など、意外と学びと結びつくものは多いです。「〇〇をもっと楽しむために学ぶ」と考えると、勉強が自分ごとになります。また、親御さん自身が「学ぶ楽しさ」を見せるのも効果的です。本を読んだり、新しいことに挑戦したりして、「知るって面白いよ!」という姿勢を伝えましょう。勉強は苦行ではなく、世界を広げる道具。まずは興味のあることから一緒に学び、「学ぶって楽しい」と思える経験を増やしていきましょう!