ADHDの子どもが落ち着いて勉強できる塾の選び方を教えてください
小学5年生の息子がADHDと診断されています。普段は明るく友達も多いのですが、学校の授業中に集中力を切らすことが多く、成績にも影響が出ています。家での学習も難しいため塾を検討していますが、本人が落ち着いて勉強できる環境を見つけられるか不安です。どのような塾が息子に合っているのか、何を基準に選べば良いのかがわかりません。見学や体験授業ではどこに注目すればいいのでしょうか。
教育のプロの視点からアドバイス
ADHDのお子さんには少人数制や個別指導型の塾が適しています。まずは教室の環境が静かで整理整頓されているかを確認してください。次に、指導方法が柔軟でお子さんの特性に合わせたカスタマイズが可能かを塾に問い合わせましょう。体験授業では講師がお子さんに適切な声掛けやサポートをしているかを観察してください。お子さんが成功体験を積みやすい環境が重要です。塾長や担当講師との面談を通じて信頼関係が築ける塾を選ぶと良いでしょう。
保護者の視点からアドバイス
塾選びでは保護者自身が納得できることが重要です。見学時には塾の雰囲気や講師の対応をじっくり観察してください。特に講師が子どもの話をしっかり聞いてくれる姿勢や、否定せずに受け入れてくれる雰囲気があるかを重視しましょう。また、塾通いがストレスにならないように家からの距離や通塾方法も考慮しましょう。お子さんが「この塾なら頑張れる」と思えるように、事前に一緒に塾の説明会や体験授業に参加して本人の意見を尊重することが大切です。
法的安心の視点からアドバイス
特性を持つお子さんが安心して通える塾を選ぶためには、契約内容と塾のサポート体制を事前にしっかり確認することが必要です。特性を考慮した学習サポートを行う旨が説明されているかを確認し、不明点は必ず質問しましょう。また、万が一通塾が難しくなった場合の返金条件や、契約変更が可能かどうかも事前に確認してください。さらに、プライバシー保護の観点から、お子さんの診断内容や特性が第三者に漏れることがないよう情報の管理体制についても質問することをおすすめします。
本サービスで提供されるアドバイスや見解は、あくまで個人の意見です。これを参考にした結果生じた損害やトラブルについて、当社は責任を負いかねます。また、法的安心の視点でのアドバイスは正式な法律相談ではありません。具体的な法的問題は、専門の弁護士にご相談ください。
有識者の見解 (3件)
田中 謙史 先生
田中塾
先ずは、塾の先生にADHDなど発達障害についてに知識と理解があるかが大事だと思います。知識だけ持っていていろいろと意見を言うけれど、理解がなければまったく意味がありません。また同じADHDのお子さんも人によって特性や対応の仕方も違ってきます。
お子さんに対して否定的な見方をしない、肯定的な注目をしてくれる先生がおられる塾がいいように思います。
最初の問い合わせや説明の時にADHDのことはしっかりと伝えて、その時の対応を確認したり、体験授業の時に保護者の目で実際どうなのかを見るべきだと思います。
宮谷 穣士 先生
個別学習のセルモ町田鶴川教室
こんにちは!
個別学習のセルモ町田の宮谷です。
ADHDのお子さんですが、当教室では今まで多くのADHDを始めとする発達の課題をお持ちの生徒さんを指導してきました。
我々の経験の積み重ねによる内容となりますが、落ち着いて勉強出来るポイントをいくつかご紹介いたします。
①ADHDの傾向や診断内容をきちんと把握する。
・ADHDと言っても、その内容はお子さんにより様々です。例えば、多動性は少なく注意欠陥の傾向が強い、逆に注意欠陥は無いが多動性が強い、その両方が強いなど、状況や状態は様々です。まずはお子さんの特徴を掴むために、過去のWISCの検査結果や、学校・ご家庭での様子をきちんとヒアリングします。そのことにより、どういった指導や環境が向いているか考察します。
②体験学習にお越しいただき、その生徒さんの学力・特徴を把握する。
・学力面(現学年の学習内容が理解出来ているか)、特徴(ADHDの傾向、耳や目から入る情報の得意・不得意、復習した場合の記憶の再現性など)を体験学習を通じて確認します。保護者様がいらっしゃる場合と、そうでない場合でその特徴や傾向が変わる場合もあるので、原則として複数形来て頂きます。
③ノートの利用可否、板書量の限界、声がけの回数など、生徒さんに必要なサポートの分析
・勉強に集中出来ない理由の中にディクレクシア傾向があるなど、筆記や板書が苦手な場合や、呼びかけや指示を把握出来ていない場合ことによる迷子状態など、複数の要因があります。どの部分に配慮すれば、生徒さんが快適に学習出来るかを確認します。もちろん、塾側で対応可能なサポートとそうでない場合があります。
④座席の位置や補助ツールの効果を図る。
・ADHDの生徒さんは、人によりますが音・振動・光に過敏な傾向があります。よって、出来るだけ周囲の動きや音が気にならない位置に優先して座ってもらいます。そのことによる落ち着きや集中を見ていきます。また、脚が動いて落ち着きがない、集中が出来ない傾向のお子さんが多いので、専用の脚置きを各教室に置いています。足置きは身長の低い小学校低学年のお子さんに特に有効です。
⑤学習の限界値や範囲を見極め、保護者さんと目線合わせします。
・今の学習指導要領はその量や難度が、ADHDをお持ちのお子さんにとってすべて習得を目指すのが辛い、難しい場合もあります。その場合は、どこまで頑張れて、その延長としてどういった受験方法があり得るのか、保護者さんと良くお話してすり合わせします。当然、生徒さんの意向も重視しますが、生徒さんは俯瞰した目線での判断は難しい場合があるので、調整は慎重に行います。
⑥専門機関での相談をお勧めします。
・ADHDの診察や診断は学習塾では出来ません。専門機関での適切な検査やカウンセリング・治療をお勧めしています。ADHDのお子様のサポートは、専門機関の専門的な診断内容を軸に、学校や学習塾など地域でお子様と接する社会集団が力を合わせてサポートすべきと考えますので、保護者様だけで悩まずお気軽に相談して下さい。
沖津 亮佑 先生
個別進学塾セルフクリエイト水戸校
学校の授業中に集中力が切れてしまうことが多いとのことですので、集団塾や予備校形式の塾はおすすめできません。
そのため、マンツーマン、もしくは1対2の個別指導の塾がおすすめです。
集中力が切れやすいお子様をサポートしてくれるかどうか、体験授業を受ける前に塾の先生に相談されると良いでしょう。
できるだけストレートに、「うちの子はADHDと診断されているのですが、そういった子どもでも見ていただけますか?」と伝えるのがおすすめです。
なかなか伝えづらいと感じる保護者様もいらっしゃいますが、事前に伝えておいた方が、塾側もサポート体制を早めに整えられるかと思います。
また、個別指導塾の中でも、担当の先生がある程度固定される塾がおすすめです。
授業をしてみないと分からないお子様の性格や特徴があるかと思いますが、そういった部分をしっかり理解しながら授業を進めてもらうためです。
こちらについても、体験授業の前に塾に質問されると良いでしょう。