塾のわいせつ事件のニュースが多くて心配になってきました
中学生の娘を個別指導塾に通わせています。今のところ特に不満もなく通っているようですが最近、塾講師によるわいせつ事件のニュースを立て続けに目にしてから少し不安になってきました。もちろん、ほとんどの先生は真面目に指導してくださっているのだと思いますが、万が一のことを考えると心配です。娘には何かあればすぐ言ってほしいと伝えていますが、当の本人はあまり気にしていないようです。このような中で、親としてどのように娘を見守り、どんな対応をしたらいいでしょうか。
教育のプロの視点からアドバイス
心配されるお気持ちは自然なことです。まず大切なのは子どもが安心して話せる環境を家庭内に作ることです。「何かあっても大丈夫、あなたは悪くない」と普段から伝えておくと、万が一のときも声を上げやすくなります。また、塾には指導時のドア開放・カメラ設置・同性講師の配置など安全対策が取られているか確認を。保護者が安全意識を示すこと自体が、塾側に緊張感と責任感を持たせる効果があります。
保護者の視点からアドバイス
正直、ニュースを見るたびに「うちの子は大丈夫かな」と胸がざわつきますよね。私は送迎時にタイミングが合えば教室の雰囲気を必ず見るようにしています。先生が生徒とどんな距離感で接しているか、他の保護者や生徒が出入りしやすい空気かどうかも重要です。塾に全てを任せきりにせず、外からの目を持ち続けることが、子どもを守る一番現実的な手段だと感じます。
法的安心の視点からアドバイス
保護者としてまず確認すべきは、塾が講師に対して「身元確認・誓約書・研修」を行っているかどうかです。これらが明記されていない場合、問い合わせる権利があります。もし不適切な言動や接触を感じた場合は、証拠を残しつつ、速やかに塾本部や自治体の教育委員会、消費生活センターに相談を。警察への通報も、ためらう必要はありません。防ぐことと、万一の際に泣き寝入りしない体制を知っておくことが、子どもを守る大切な備えです。
本サービスで提供されるアドバイスや見解は、あくまで個人の意見です。これを参考にした結果生じた損害やトラブルについて、当社は責任を負いかねます。また、法的安心の視点でのアドバイスは正式な法律相談ではありません。具体的な法的問題は、専門の弁護士にご相談ください。
有識者の見解 (1件)
田谷 智紀 先生
s-Liveきょうと山科校
お母さまのご不安、とてもよくわかります。
私自身も学習塾を運営する立場であり、また子どもを持つ親でもあります。
ですから、塾講師によるわいせつ事件のニュースを目にするたび、怒りとともに、深い悲しみと残念な気持ちを抱きます。
教育は信頼の上に成り立つものです。
その信頼を裏切る行為は、子どもたちの心を傷つけ、真摯に子どもと向き合っている多くの先生方の努力までも踏みにじります。
同じ教育に携わる者として、心から憤りを感じています。
不安を「安心」に変えるために、家庭でできる見守り方を紹介いたします。
①「見える関係」をつくる
塾への送迎時や保護者面談などで、講師や教室の様子を直接感じ取るようにしてみましょう。顔を合わせ、挨拶を交わすだけでも「この親は見ている」という抑止力になります。お子さんにも、“お母さんが先生と話している”という安心感が生まれます。
②「イヤだ」を教える
思春期の子は“イヤと言っていい場面”が分からないことがあります。
「不快なことがあったら、理由を言わなくても“イヤ”でいいんだよ」
「どんな話でも、お母さんは怒らないから聞かせてね」
と伝えておくことで、“危険を言葉にできる子”になります。
③「ニュースを一緒に話題にする」
事件をただ怖がらせるのではなく、「こういうニュースを見て、親としても悲しい」「あなたの塾は信頼しているけれど、気になることがあったら教えてね」と冷静に話すことで、“恐怖”ではなく“意識”として共有できます。
④「信頼できる塾を選び、対話できる関係を」
防犯対策や指導体制について、率直に塾へ質問してみることも大切です。
誠実な塾なら、保護者が不安を口にすることを歓迎し、“どうすればより安心して通えるか”を一緒に考えてくれます。
親ができる最大の安全対策は、「信頼できる大人たちとつながること」です。
家庭・塾・地域がそれぞれの立場で子どもを見守る社会になれば、子どもたちは安心して学びに集中できます。
お母さまのように、「不安だけど、見守り方を考えたい」と行動される姿勢こそ、お子さんにとって最大の防御であり、愛情の証です。
どうか、その優しい警戒心を大切にしながら、安心できる環境を一緒に築いてください。