塾で成績と順位が貼り出され、子どもが劣等感を抱いています
中学生の子どもが通っている塾では、定期テストの成績と順位が教室内に貼り出されます。上位の生徒は名前が大きく目立つように書かれており、それを見るたびに劣等感を抱いているようです。最近では「次こそは頑張る」と意気込むどころか、「またみんなに自分の順位を知られるのがいやだ」と塾に行きたがらなくなりました。このままでは勉強への意欲そのものが失われてしまうのではないかと心配です。塾の方針を尊重しつつ、どうやって子どものモチベーションを守ればいいか悩んでいます。
教育のプロの視点からアドバイス
成績の貼り出しは、モチベーションを上げる目的で行われますが、全ての生徒に効果があるわけではありません。お子さんのようにプレッシャーが強くなりすぎる場合、逆効果になることもあります。まず塾に相談し、お子さんが感じているストレスを具体的に伝えましょう。その上で、目標設定を個別に行う方法や、順位ではなく努力のプロセスを評価するような仕組みを提案してみてください。塾が対応に前向きであれば、お子さんも少しずつ安心できる環境が整うのではないでしょうか。
保護者の視点からアドバイス
お子さんが「つらい」と感じていることに寄り添うことが大切です。嫌だと感じる理由をじっくり聞き出し、お子さんの意見を尊重して塾に相談してみましょう。その際、他の生徒と比較されない評価方法(例えば、個別の成績報告書の利用など)を具体的に提案すると良いです。また、お子さんには「順位ではなく、自分の成長が大切」という考え方を伝えることで、少しずつ自信を取り戻してもらうサポートをしていきましょう。
法的安心の視点からアドバイス
成績の貼り出しについては、個人情報保護の観点からも注意が必要です。たとえ塾内であっても、塾が名前や成績を公に貼り出す場合、本人または保護者の同意を得ることが求められます。もし事前に同意を得ずに行われている場合、改善を求める正当な理由になります。同意の撤回も可能なので、塾に対して匿名化や非公開への変更を求めることができます。必要であれば、外部の専門機関に相談する選択肢も視野に入れることで、解決に向けて安心して行動を起こせる場合があります。
本サービスで提供されるアドバイスや見解は、あくまで個人の意見です。これを参考にした結果生じた損害やトラブルについて、当社は責任を負いかねます。また、法的安心の視点でのアドバイスは正式な法律相談ではありません。具体的な法的問題は、専門の弁護士にご相談ください。
有識者の見解 (1件)
山本 涼太郎 先生
個別教育クラーク
中学生のお子様が通う塾での成績順位の貼り出しが、お子様のモチベーション低下につながっているとのこと、ご心配ですね。
私は個別塾をしていますが、上記のようなスタイルの塾から移ってこられるご家庭が多いため、お気持ちは痛いほどわかります。
通っている塾の方針を尊重しつつ、お子様のモチベーションを守るための方法をいくつかご提案させていただきます。
1. 気持ちに寄り添う
まずは、お子様の気持ちに寄り添うことが大切です。
* 塾に行きたくない理由を丁寧に聴く
* 劣等感を抱いていることを理解し、共感する
* 本人の感情を否定せず、「そうなんだ」と言うにとどめ、聴くに徹する
2. 目標設定を見直す
お子様の目標設定を見直すことも有効です。
* 定期テストの順位ではなく、具体的な学習や行動の達成度を目標にする
* 苦手な分野の克服や、前回よりも1点でも多く取るなど、目標を達成可能なものにする
* 長期的な目標だけでなく、短期的な目標も設定し、こまめに達成感を味わえるようにする
3. 塾以外の活動を応援する
塾以外の活動を応援することも、お子様の自己肯定感を高める上で重要です。
* 部活動や習い事など、お子様が興味のあることを見つけ、応援する
* 勉強以外の才能や個性を認め、褒める
* 家族団らんの時間を大切にし、安心できる居場所をつくる
4. 家庭学習のサポート
家庭学習のサポート体制を整えることも、お子様の学習意欲を高める上で大切です。
* 学習計画を一緒に立て、進捗状況を確認する
* わからないところは丁寧に応じ、質問しやすい雰囲気を作る
* 褒めたり励ましたりしながら、少しずつ自主学習を促す
5. 周囲と比較しない
周囲と比較することは、お子様の劣等感を増幅させる原因になります。
* お子様の良いところや成長したところを具体的に褒める
* 誰かと比べるのではなく、自分自身のペースで成長できることを伝える
* 過去の自分と比較して、どれだけ成長したかを一緒に確認する
*何かをできたときだけ褒めるのではなく、存在自体を承認する
6. 成功体験を積み重ねる
小さな成功体験を積み重ねることで、お子様の自信を取り戻すことができます。
* 今日の目標ができたら、一緒に喜ぶ
* チャレンジできたら、結果は関係なく喜ぶ
* 苦手を克服したら、努力を認め、繰り返し褒める
7. 長期的な視点
お子様の成長には時間がかかります。
* 短期的な結果が出なくても気にせず、長期的な視点で見守る
* 焦らず、ゆっくりとした成長をサポートする
* お子様のペースを尊重し、無理強いしない
8. 塾の先生と話し合う
塾の先生にお子様の状況を伝え、相談してみましょう。
* 貼り出し方法の改善について相談する
* お子様の性格や特性に合った励まし方についてアドバイスをもらう
* 塾全体として、競争意識を煽るのではなく、個々の成長を重視するような雰囲気づくりを提案する
* 塾を変えることを検討する:成績を上げて自信をつけるために通っている塾で、自信を失くしていては逆効果です。お子様に合った指導をしてくれる塾はたくさんあります。お近くにないようなら、オンライン塾も検討してみてください。
最後に
大好きなお母さんお父さんに褒めたり認めたりしてもらえることほど、お子様のモチベーションに影響を与えるものはありません。お子様が自信を取り戻すため、ぜひ、家族で協力してサポートしましょう。また、家族以外にもサポートしてもらえるよう、周囲にも相談してみることをおすすめします。お子様を応援するお母さんお父さんを、応援しています!