親の期待に応えられず自信を失っている時の対処法を教えてください
中学受験を目指して大手進学塾に通わせています。成績は決して悪くありませんが、私たち親の期待に応えられていないと感じることが増え、娘は自信を失っている様子です。特にテストの点数が思うように伸びないときや塾の宿題がうまくこなせないとき、私たちが厳しく叱ってしまうことで更にプレッシャーを感じているようです。また、塾の授業に追いつくために休息時間を削り、疲れがたまっているように見えます。娘の将来を思うと中学受験に向けて頑張って欲しいのですが、親の期待が逆に重荷になっているのではないかと心配です。どうすればプレッシャーを減らしつつ、娘が自信を持って勉強に取り組める環境を作れるのでしょうか。
教育のプロの視点からアドバイス
お子さんが「親の期待に応えられない」と感じていることが自信を失う最大の要因です。まず、成績やテストの点数を評価の軸にするのではなく、努力の過程を認めることが大切です。例えば、「今回は前よりも計算ミスが減ったね」「この問題、前は解けなかったのに解けるようになったね」と、小さな成長を言葉にして伝えましょう。また、塾の授業がハードで疲れがたまっている場合、宿題の優先順位付けを行い、勉強の負担を軽減するのも一つの手です。無理に詰め込むのではなく、「できること」にフォーカスし、お子さん自身が成長を実感できる環境を整えましょう。
保護者の視点からアドバイス
「親の期待」は子どもにとって愛情の裏返しでもありますが、それが伝わりきらないとプレッシャーに変わってしまいます。娘さんが求めているのは「もっと頑張れ」という言葉よりも「あなたの頑張りを認めているよ」という安心感かもしれません。テストの点数や宿題の達成度よりも、「今日塾で楽しかったことは?」「どんなことが難しかった?」など、結果ではなくプロセスに寄り添う会話を増やしてみてください。また、子どもの疲れを感じたら、一緒に好きなことをする時間を設けるのも有効です。受験は長期戦。心の余裕が結果として学力向上にもつながります。
法的安心の視点からアドバイス
教育におけるプレッシャーが過度になると子どもの心理的負担が大きくなり、精神的なストレスが蓄積する可能性があります。近年では子どもの精神的健康を守るため、家庭や学校での「過度な期待による精神的圧迫」が問題視されるケースも増えています。親としての最優先事項は、お子さんの健康と健全な成長です。まずは「娘さんの意思」を尊重し、勉強と休息のバランスを取ることを意識しましょう。無理にカリキュラムに合わせるのではなく、娘さんのペースに寄り添う選択肢も検討してください。受験は大切ですが、それ以上に大切なのはお子さんの自己肯定感を守ることです。
本サービスで提供されるアドバイスや見解は、あくまで個人の意見です。これを参考にした結果生じた損害やトラブルについて、当社は責任を負いかねます。また、法的安心の視点でのアドバイスは正式な法律相談ではありません。具体的な法的問題は、専門の弁護士にご相談ください。
有識者の見解 (3件)
沖津 亮佑 先生
個別進学塾セルフクリエイト水戸校
娘さんが自信を失ってしまっているのですね。
親子で同じ方向を目指しているように見えても、実は意識の向き方に違いがあることが原因かもしれません。
親御様は、「娘さんに頑張ってほしい」と感じていらっしゃると思いますがが、
娘さんは、「お父さんやお母さんに喜んでほしい」と思っているのかもしれません。
このように、お互いの気持ちが相手に向いている状態になると、プレッシャーや不安を感じやすくなり、やがて反発に繋がります。
こうしたプレッシャーを和らげるために、親子の矢印を「中学受験のその後」に向けることが大切です。
娘さんと一緒に、次のような未来の話をしてみてください。
「○○中学校に行ったら、どんなことをしてみたい?」
「中学生になったら、どこに旅行に行こうか?」
「受験が終わったら、何をしたい?」
こうした「合格後の楽しい未来」を一緒に考えることで、受験への気持ちを前向きに持ちやすくなります。
日々の声掛けも大切ですが、未来について話すだけで、受験への気持ちが大きく変わることがあります。
娘さんが感じるプレッシャーや、親御様の不安も軽減され、受験まで親子で無理なく頑張れる状態を作りやすくなると思います。
山本 涼太郎 先生
個別教育クラーク
とても愛情深くお子さんのことを考えていらっしゃるのが伝わってきます。親として、子どもの将来を思えばこそ、期待をかけてしまうのは当然のことですし、「もっと頑張ってほしい!」という気持ちは自然なものです。でも、その期待が重荷になってしまうと、お子さん自身が「勉強=親のためのもの」と感じるようになり、結果としてモチベーションが下がったり、自信を失ったりしてしまうことがあります。
では、どうすればプレッシャーを減らしつつ、娘さんが自信を持って勉強できる環境を作れるか、一緒に考えてみましょう。
① 「成果」ではなく「成長」に目を向ける
テストの点数や塾の宿題の完成度ばかりに注目すると、お子さんも「結果がすべて」と思い込んでしまいがちです。
でも本当に大切なのは、「テストの点数が上がったか」ではなく、「前より理解できるようになったことがあるか」「努力できたか」という成長の部分です。
たとえば、テストで80点だったとき、「なんで20点落としたの?」ではなく、「前回より計算ミスが減ったね」「難しい問題に挑戦できたね」と、成長した部分を言葉にして伝えることが大切です。
また、「勉強しても成績が伸びない…」と落ち込んでいるときは、点数に表れなくても、「努力したことは確実に力になっているよ」と励ましてあげてください。
② 親の「期待」を背負わせるのではなく、「応援」する
「もっとできるようになって欲しい」と思うあまり、つい厳しくなってしまうこともあると思います。でも、子どもにとって一番安心できるのは、「どんな結果でも親は応援してくれる」という信頼です。
たとえば、
✖「こんな点数じゃダメじゃない!」
○「よく頑張ったね。次はどこを伸ばしたい?」
✖「宿題が終わってないなんて、ちゃんと計画しなさい!」
○「どこでつまずいたのか、一緒に考えてみよう」
こうした声かけをすることで、お子さんは「怒られるからやる」ではなく、「自分のためにやる」という意識を持てるようになります。
③ 休息をしっかり取ることも「勉強」の一部
疲れがたまっているとのことですが、これは気をつけたいポイントです。睡眠不足や疲労があると、記憶力や集中力が落ちるだけでなく、気持ちもネガティブになりがちです。
中学受験では「勉強量」も大事ですが、「勉強の質」はもっと大切。休息をしっかり取ることで、効率よく学習できるようになります。
たとえば、
・25分勉強 → 5分休憩 のサイクルを意識する
・1日15分でも「好きなことをする時間」を作る
(リラックスできる時間があると、勉強の集中力も上がる)
・睡眠時間を削って勉強するのではなく、「しっかり寝ることは一番の脳のメンテナンスに必要なこと」と伝える
このように、「休むことは悪いことではなく、勉強を効率よく進めるために必要」と考えると、親も安心できるし、お子さんもプレッシャーを感じにくくなります。
④ 「親が安心している姿」を見せる
子どもは親の表情や態度を敏感に感じ取ります。もしお子さんが「親が不安そう=自分はもっと頑張らないといけない」と感じていたら、それだけでプレッシャーになります。
だからこそ、「大丈夫」「きっとなんとかなる」と、親が楽天的な姿勢を見せることが大切。親が安心していると、子どもも自然と落ち着き、前向きに勉強できるようになります。
⑤ 「何のために中学受験をするのか」を共有する
受験勉強がつらくなったとき、お子さん自身が「何のために勉強しているのか」がわからなくなると、モチベーションを失いやすくなります。
「どの学校に行くか」よりも、「その学校でどんな楽しいことが待っているか」に目を向けると、前向きな気持ちになります。
「○○中学に入ったら、こんな部活ができるよ~楽しそう!」
「この学校なら、こんな勉強ができるんだって~!」
〜といった話を通して、お子さん自身が「この学校に行きたい!」と思えるようにすると、ワクワクした気持ちで勉強に向かえるようになります。
娘さんのプレッシャーを減らすことは、「手を抜く」ことではなく、「前向きに頑張れる環境を作る」ことです。娘さんが自信を取り戻し、受験に向けてポジティブな気持ちで進めるよう、笑顔でサポートしていきましょう!
山本 力大 先生
オンライン個別指導塾Cheers!
中学受験というのは、子どもにとっても親にとっても大きな挑戦ですよね。
お嬢さんが自分に自信を持てなくなってしまうのは、厳しい勉強スケジュールに加えて、親の期待に応えようとする気持ちが重なっているからかもしれません。
まず大切なのは、親の思いをそのままぶつけずに、お嬢さんが感じている負担を理解してあげることだと思います。
点数が伸びないときに叱るのではなく、「どうして思うようにいかなかったのかな」「次はどうしたらいいかな」と一緒に考える姿勢を見せるだけでも、プレッシャーはずいぶん和らぐはずです。
本人が疲れている様子であれば、休息の時間をしっかり確保することも欠かせません。
集中力を高めるためには十分な睡眠とリラックスが必須ですし、気持ちを切り替える時間がないと、結果的に効率が落ちてしまうことも多いです。
また、「勉強ができるかどうか」が人間としてのすべてではない、というメッセージを日頃から伝えてあげるとよいかもしれません。
中学受験は一つの目標ですが、それが人生のすべてではありませんし、お嬢さんの得意なことや好きなことを認めてあげる機会も大切です。
とはいえ、ある程度の緊張感も必要なので、「がんばろう」という声かけはしてあげつつ、できなかったことばかりを指摘するのではなく、できたところをきちんと褒めてあげるよう意識してみてください。
「あの問題、前より早く解けるようになったね」とか、「宿題を忘れずに取り組めたね」など、小さな変化を言葉にして伝えると、お子さん自身も「自分、ちゃんと成長してるんだ」と実感できます。
親が思う以上に、子どもは親の期待に敏感に反応するものです。
「期待している」という言葉が、本人には「もっと頑張らなきゃいけないのに、できてない」というプレッシャーに映ることもあります。
もしお嬢さんが苦しそうに感じるなら、「何か困ってることはある?」「どんなふうに勉強すればやりやすいかな?」と、お子さんの声を聞く時間を意識的に作ってみてはいかがでしょうか。
休息時間を削ってテスト対策に追われるより、短時間でも集中できる勉強を積み重ねた方が、実力は身につくものです。
お嬢さんが自信を失わずに、中学受験という大きな目標に向かって一歩ずつ成長していけるよう、まずは日々の負担を少しずつ見直してみてください。
そして、「自分は成長している」という実感をお子さん自身が持てるよう、良いところを見つけて褒める習慣を作ってみると、親子ともに気持ちが楽になるかもしれません。