岡本 康志 先生|投稿履歴

岡本 康志 先生

サポーツ京田辺

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勉強から逃げ続ける小5の子ども…どう向き合えばいいのか分かりません

毎日欠かさず親子で喧嘩になり、お母様も大変お辛い状況だろうとお察しいたします。 お母様がまず、今、お子様は「逃げたいから逃げている」のではなく、「逃げざるを得ない状況に追い詰められている」という可能性について理解を深めていただくことが、状況を変える第一歩になるのではないでしょうか。 ・ お子様の「逃げ」の背景にある可能性:人並み以上に辛い「読み書きの弱み」 お子様が文章を読むことや本を読むことを避け、勉強から逃げている背景には、単なる「やる気のなさ」ではなく、「読み書きの弱み」(発達の特性)が関わっている可能性があります。 1. 努力では埋まらない困難がある 読字の困難: 文章を読むこと自体が、お子様にとって人並み以上のエネルギーと集中力を要する作業になっているかもしれません。例えば、文字がぼやけて見える、行を読み飛ばしてしまう、文字を一つひとつ認識するのに時間がかかる、などが挙げられます。 「文章問題」が特に苦手な理由: 二重の負荷: 文章を「読む」という作業で既に疲弊するため、その内容を「理解し、思考し、問題を解く」という次の段階に進むための余力が残っていません。 読むスピードが遅い: 読むことに時間がかかり、周りの子と同じ時間で問題に取り組めないことで、強い劣等感や焦りを感じている可能性があります。 2. 辛い経験の積み重ねが「逃避」につながる 自己肯定感の低下: 小学校から5年間、努力しても周りと同じようにできない経験を重ね、「自分はできない子だ」という辛い思いを抱えてきた可能性が高いです。 精神的な防御反応としての「逃避」: 勉強を避けたり、飽きて続かないのは、「これ以上失敗して辛い思いをしたくない」「自分を否定されたくない」というお子様自身の心が、これ以上傷つかないための防衛本能かもしれません。 あえて お母様へ“向き合い方”として助言させていただくならば、 学習支援について教科書的には以下のようになります。 ステップ1:「できないこと」ではなく「辛さ」に焦点を当てる お子様を責めたり、叱ったりするのを一度やめて、代わりに以下の言葉をかけてみてください。 共感と受容: 「文章を読むのはすごく大変なんだね」「頑張って読もうとしているのに、なかなか進まなくて辛かったね」 「戦う相手」を変える: 敵は「お子様」でも「お母様」でもなく、「お子様の読み書きを困難にしている何か」です。一緒にその「何か」と戦う姿勢を見せてください。 「どうしたらもっと楽に、文章が頭に入ってくるか、お母さんと一緒に工夫を探してみよう」 ステップ2:「読む」ことをサポートする工夫を取り入れる もし読み書きに弱みがあるなら、根性論で「読ませる」のではなく、「読むことの負担を減らす」工夫が必要です。 音読の活用: お母様が読み聞かせる、または、教科書や本を読み上げてくれる音声教材(アプリや電子書籍など)**を活用し、「耳で聞く」ことで内容を理解するのを助けます。 視覚的な工夫: 読む行だけが見えるように**定規や穴あきの下敷き(リーディングトラッカー)**を使う、文字や行間を大きくしたコピーを使う、など視覚的な負担を減らします。 少しの成功体験を積み重ねる: 長文ではなく、短文の問題や、得意な科目、興味のあるテーマから始め、「できた!」という成功体験を増やして、自己肯定感を回復させてあげてください。 ステップ3:専門機関へ相談し、正確な状況を把握する お子様の特性を理解し、適切なサポートを受けるために、専門家の力を借りることを強くおすすめします。 教育相談窓口: 学校の先生やスクールカウンセラー、地域の教育センターなどで相談し、学校での様子と家庭での困りごとを共有する。 医療機関: 必要に応じて、小児神経科、児童精神科、発達外来などを受診し、お子様がどのような特性を持っているのか(例:発達性読み書き障害、ディスレクシアなど)を正確に知ることが、最も有効な対策のスタートラインになります。 とはいえ、このような一般論的な助言を受けても、なかなかお母様としても実行が難しく感じられるでしょうし、現実的に【専門機関の専門家】という立場の方でも、この一般論程度しか理解されていないことがほとんどだと言っても過言ではないのが実情ですので、私としても、ここでの相談で終わらず、直接ご本人含めてお会いできればと、切に思います。(よろしければ、リモートでもご相談承ります) ひとまず、今回のご助言としては、5年間も毎日、お子様と向き合い、お母さまご自身も悩みながら頑張ってこられたこと、「何とかしてあげたい」という強い気持ちの裏返しなのは間違いないでしょうから、お子様とぶつかるのではなく、二人三脚で共に問題を解決していくという方向でいかがでしょうか

親の関わり方

集団塾か個別指導塾か、どちらを選べば良いのか悩んでいます

今回のご相談において「中学受験」であるというところが非常に大きなポイントになると思います。 というのも、高校受験であれば事実上「みんながせねばならない受験」であり、内申点など所属する中学校や地域の事情にはよるものの、特に少子化が進んだ現在においては、「受かるべくして受かるところを受験する」でしかありませんし、 大学受験となれば、全国視野や千差万別な選択肢あるのと共に、18才ですから相応に本人が判断でき、まさに自己判断という話になります。 しかし、中学入試に臨む小学生は、まだまだ周囲の大人の影響が大きい世代ですから、どのような学習環境を提供するかの最終判断は親御さんになるかと思います。 しかも、中学受験の世界においては受験不要の公立中学以上の「ハイレベルな学習」であることが前提になる訳ですから、超難関校を受験されるのであれば、その難関を突破するハイレベルな知識や競争を学ぶ必要があるので、難関中学を対象にした集団塾という選択肢になると思います。(もし何かしら個別指導が必要というのであれば、プロ家庭教師のような、そもそも指導を受けること自体が簡単ではない指導者にたどり着かねばなりませんので、「迷って選ぶ」時点で入れるような個別指導塾は不適切でしょう) と、20世紀の中学受験であれば、ここで終えるのですが、 昨今の少子化を受けて、「中学受験」といっても、決して「ハイレベルな学習」という訳でもなくなりました。 そうなってくると、必ずしも学校程度の勉強ですら、OKになっていないけれど、“中学受験”をするという場合があると思います。 そういう場合は、よほど本人にとって適切な授業をしてもらえる集合塾に出会えれば話は別ですが、基本的に学校での“集合授業”でOKになっていないのですから、自分に合わせた説明なり対応なりをしてもらうべき個別指導塾を選ぶべきということになるのではなでいでしょうか。

塾選び

個別指導の塾のデメリットも知りたい

「個別指導のメリット」が、ただ単に2:1などの「少人数だから」とお考えであれば、必然的にデメリットは「先生との相性次第」ということにはなるかと思います。 しかし、個別指導として、スポーツなどでいうところの「プライベートコーチ」という指導イメージして考え、「あなたのタイプの場合は…」というような指導がなされる”べき”であるとするのであれば、「先生との相性」というのが、個人のパーソナリティ次第という意味ではなく、その塾として「どのような指導をすること」が提供価値であるかという方針や、講師教育の在り方の問題だということになります。 「勉強する」ということが、「問題演習して間違ったところを教わる」ということだと考えているなら、「集合授業の少人数版」でしかありませんが、本来の「個別指導」とは、ひとりひとりの個性・特性に合わせて「ものの見方・考え方を変える」というような、いわゆる反転学習・探求的学習活動にも通じる”学び”として、「対話学習をする」ための個別指導だと考えると、メリット・デメリットの概念も変わってくるかと思います。 なお、そのような対話学習として考えた場合の個別指導のデメリットとは、意見バリエーションを広げにくい。ということになるのではないでしょうか。 追伸:拙書「なぜ個別指導で成績が上がらないのか?」という小冊子をAmazonオンデマンドで出版しておりますので、よろしければそちらも参考にしていただけると幸いです。

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